【発音と文法が上達する英語学習法】大学准教授が教える「言語学に基づく正しい”3つの”英語勉強法」で英語力が上がります!
言語学のエキスパート:関西学院大学准教授の今西先生
先日、母校の関西学院大学にお伺いして、今西准教授とお会いしてきました。今西准教授は、筆者の大学時代の同期です。総合政策学部の学部長である古川先生のゼミに在籍し、アメリカのエモリー大学に留学、言語学をベースに仕事をされています。筆者も、同じエモリー大学に留学し、言語学をベースにした英語コーチングをしています。今西先生には、大学に戻る度に言語学や英語の指導法について、お話をお伺いしています。
今西准教授は、言語学のエキスパートで、主な研究分野は消滅危機言語です。関西学院大学ではフィールド言語学(マヤ諸語、琉球諸語)のゼミの教務だけでなく、言語類型論や比較言語学、英語音声学についても講義をされています。大学の准教授になることは本当に狭き門なので、今西准教授のご活躍が本当に嬉しく、尊敬できる同期が身近にいることに感謝しています。
今回は、今西准教授と効果的な英語学習法について、下記の3つの内容について、ご教示くださいました。
①英文法の重要性と効果的な勉強法
②発音の重要性と効果的な勉強法
③「アメリカ英語とイギリス英語の違い」を文化と歴史から学ぶ勉強法
英文法の重要性と効果的な勉強法
1つ目の英文法についてですが、今西准教授が英文法の重要性について次のようにおっしゃていました。
「単語は積み木のピースで、文法が組み立て方を考える設計図だ」
「いくら単語を羅列しても、きちんとして組み立て方を知らなければ、正しい言葉にならない」
筆者が、英語のコーチングをしていて、最近気になるのは、文法の基礎知識がない大学生が多いことです。コミュニケーションを重視するという現在の英語教育の弊害で、単語単位のブロークンな英語で話す方が多いです。文法ができなければ、ある一定のレベルから英語力が伸びなくなります。ですから、今西先生のおっしゃるように、筆者が個別レッスンをする場合は、基礎文法を強化します。文法と言っても、堅苦しいものではなく、ネイティブの思考を映像やイメージで理解する「ネイティブの英語脳」を鍛える指導をしています。
「ネイティブ脳」を鍛えるとはどういうことなのでしょうか?下記の例を見てみましょう。
例1 I am Taro.「私は太郎です。」
例2 Biz English Coach is blue. 「そのドアは青いです。」
日本の学校では、「be動詞をです、ます。と訳しなさい」、「英語は返り読みしなさい」と習います。しかし、日本語の語順で理解するとTaroからamへ返り読みになってしまいますし、訳をすること自体が文の内容を理解するのに無駄なロスになります。
一方、ネイティブは下記のように、be動詞は「説明するよ!」という意味でとらえています。
例1 I「私は」am「説明するよ!」Taro「太郎」
例2 Biz English Coach「ドアは」is「説明するよ!」blue「青い」
こうやってとネイティブ脳を身につけると、英語の意味を前から素早く理解できます。さらに、文法を映像やイメージで理解できるので、楽しみながら学習ができます。
ネイティブ脳を鍛える(willとbe going toの違い)の解説↓
発音の重要性と効果的な勉強法
2つ目の発音とその勉強法についてですが、今西准教授が次のようにおっしゃていました。
「リスニング能力が低い方は、発音を習得できていない場合が多い」
「いくら英語を流暢に話せても、伝わらない発音であれば、言語として機能してない」
「基礎的な英語の発音が改善するだけで、リスニング力が大幅に改善する」
発音ができないと、相手に伝わらないのは容易に想像できます。リスニングが苦手な場合、正しい発音を習得できていないというケースが非常に多いです。自分が発音できる音以外は、私たちはどうしても雑音として認識してしまうからです。正しい発音ができない状態で、いくら大量に英語を聞いても、学習の生産性は低いままです。
リスニング能力を改善することで、英語の学習効果が高まることは、英語を第二言語として習得するプロセスを研究する学問「第二言語習得研究(SLA)」の研究からも証明されています。今西先生のご指摘通り、英語の発音が苦手で、リスニングに課題を感じる方が発音を習得すると、リスニング能力は劇的に向上します。英語は腹式呼吸でしゃべり、母音の発音が基礎になります。ですから、まず、お腹から息を吐いて、母音を、1つ1つ正確に発音できるようにしましょう。母音ができるようになったら、子音や、単語、そして文章へと負荷を上げてトレーニングするのが良いです。英文を自然としゃべるには、英語ネイティブが日常的に使う「音声変化」について学習することが重要です。「音声変化」は文字通り、ネイティブが自分がしゃべりやすいように、音を変えて発音することです。この「音声変化」を知らないと、リスニング力をあげたり、自然なスピーキングをすることができません。「音声変化」の詳細については、下記の動画をご覧ください。
音声変化の解説はこちら↓
「アメリカ英語とイギリス英語の違い」を文化と歴史から学ぶ勉強法
3つ目についてですが、今西准教授は、「各国の英語の違いを学ぶ勉強法」について、次のように、ご教示くださいました。
「各国で話される英語の特徴の違いは、英語とそれにまつわる文化・歴史を学習することで分かる」
例えば、アメリカ英語とイギリス英語を比較すると、この2つの英語では、使われる単語や発音などが違います。今回は、特に、発音の違いに焦点を当ててみましょう。
下記のように、アメリカ英語では母音のあとの/r/を発音します。これを「R性母音」と言います。「R性母音」は、carやcartといった語で、母音の後の/r/を発音するR音性的な英語です。これに対し、イギリス英語では、carやcartといった語で/r/を発音しない「非R音性母音」が使われます。
アメリカ英語(R性母音):/əːr/・/ɑːr/・/ɔːr/などのように、母音の後ろにくっつくrを発音します。
イギリス英語(非R性母音):/əː/・/ɑː/・/ɔː/などのように母音の後ろにくっつくrを発音しません。
なぜ、アメリカとイギリスの間で、このような発音の差が生まれたのでしょうか?それは、元々、イギリスでは、R性母音が一般的に広まっていましたが、一般人と同等扱いをされたくない上流階級の層が、非R性母音を生み出したからです。
このように、文化・歴史の背景を知っていると、アメリカ英語やイギリス英語をはじめ、様々な国の英語の特徴を体系的に理解することで、英語の発音の違いを聞き分けることができるようになります。
TOEICでイギリス英語の聴き取りが出来ない方が多いので、個別レッスンで受講生に細かく指導しています。アメリカ英語とイギリス英語の発音の違いを、下記の動画でさらに詳しく解説していますので、是非、ご覧ください。
アメリカ英語とイギリス英語の発音の違いの詳しい解説はこちら↓
英語学習に極端な近道はありません。しかし、現時点の英語のレベルや課題に合わせて最短距離で最速の英語学習をすることは可能です。 Biz English Coachでは、受講生のレベルに合わせた指導を行ないます。単語・文法→リスニング・リーディング→スピーキング・ライティングのどの段階に課題があるかを診断し、課題の解決に最適なトレーニングを行います。単語・文法からスピーキング・ライティングまで、すべてのトレーニングを行うことが大事ですが、単語・文法の基礎が全くない生徒がスピーキングを重点的にトレーニングしても、英語力は上がりづらいものです。
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