「家での勉強」ができないのは、部屋が適温でないから!まずは、温度を変えてみよう!
部屋が適温でないので、自宅で仕事や勉強が捗らない
コロナウイルスの影響で外出自粛になり、自宅で仕事や勉強をする機会が増えました。しかし、
「暑くて、仕事や勉強になかなか集中できない。」
「部屋が整理されているのに、仕事や勉強が捗らない。」
というお悩みの方は多いです。実は、これ、部屋の温度が原因になっていることが多いです。不快と感じる室温で仕事や勉強をすると、パフォーマンスは確実に落ちてしまいます。
シンガポールの初代首相として、戦後の経済発展をリードし、建国の父といわれているリー・クアンユー氏は次のように述べています。
「私はシンガポールの建国の父といわれている。だが、実際にシンガポールの繁栄を築いたのは、私ではなくてエアコンだ」
「エアコンが安い値段で流通するようになって、現在のシンガポールが機能するようになった。もし今この時代にエアコンがなければ、いまだにシンガポールの人は、誰ひとりまともに働かないだろう」
首相が「自国の繁栄が温度によって決まった」と明言しているのは、非常に印象的です。部屋の温度は、仕事・勉強の生産性や集中力に深く関係していることがわかるエピソードですね。温度と仕事の生産性の関係性は以下の科学的実験によっても証明されています。
コーネル大学の実験
2005年にコーネル大学の3名の教授がフロリダの保険会社でパソコン作業を行い、仕事をしている女性を対象に調査を行いました。調査は16日間かけて15分おきに室温と9名の仕事の生産性を調べるという内容でした。その結果は下記の通りです。
室温を20度から25度上がると、タイピングミスが44%減り、タイピングの文字数が150%増加した。
それでは、効率よく仕事や勉強をするのに最適な温度とは何度なのでしょうか?
室温を22-25度にすると、仕事や勉強が捗る
下記の実験から、22-25度が最適と言えるでしょう。
温度と仕事の生産性の関連性を調査した実験
2006年に行われた、Helsinki University of TechnologyとLawrence Berkeley National Laboratoryの共同研究によると、一般的な職場を想定すると、22度が最適だそう。この実験の対象は、文書の処理、簡単な計算(足し算やかけ算)、顧客への電話のようなオフィスワークをする人々です。
21~22度だと作業効率が上がった(中略)。最も仕事の生産性が高い温度は22度だった。例えば、30度だと22度に比べ、パフォーマンスが8.9%低下した。
実験を行ったメンバーの一人、Olli Seppänenが2003年に行った研究では、26度以上でなければ温度による悪影響はないという結果が出ています。
25~32度の間で1度上がるごとに2%パフォーマンスの低下が見られ、21~25度の間では温度の変化によるパフォーマンスへの影響はなかった。
適温には個人差がある
一般的に最適な温度や湿度は明らかになってきたものの、やはり個人差があります。室温とは、その空間自体の温度を指しますが、実際は輻射熱(天井や壁など、身のまわりのものが発している熱)を拾うので、体感温度と室温はイコールではありません。ですから、部屋の構造によっても、温度の感じ方が異なります。また、性別・年齢・体型など、温度の感じ方の差を生む要因は様々です。
実際に、男性と女性には、温度の感じ方は異なるということは、2015年のMaastricht University Medical CenterのBoris KingmaとWouter van Marken Lichtenbeltの実験にで明らかになっています。女性は男性より基礎代謝量が低い傾向にあるため、寒さを感じやすい。快適に感じるためには3度高く設定すると良いとのことです。
まとめ
このように、22-25度が最適とされていますが、ご自身の部屋の構造や、性別、年齢、体型によって最適と感じる温度は変わります。最初に、22-25度の間で温度を設定し、自分が快適だと思える温度に微調整をしましょう。
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参考文献
室温28度のオフィスで仕事の生産性は15%落ちる DIAMOND ONLINE
Effect of Temperature on Task Performance in Offfice Environment by Olli Seppänen, William J Fisk, QH Lei
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