英語は721語を覚えれば話せる!レキシカルアプローチ×認知文法で最短習得

1. たったの721語で英語が話せる理由

英語学習では、膨大な語彙や複雑な文法ルールに気を取られがちです。しかし実際の日常会話やビジネスシーンで使われる英語は、限られた高頻度の語彙と定型表現(チャンク)でほぼカバーできます。最新の研究によると、英会話の約9割は上位721単語とそれらの組み合わせだけで成立していることが明らかになっています。

さらに、認知文法や第二言語習得研究の知見に基づく理論、そして正しい発音矯正を行う専門コーチングを組み合わせることで、「使える英語」を最も効率的に身につけることができます。本記事では、この実践法をレキシカルアプローチやチャンク(コロケーション・句動詞の使い方)に焦点を当てながら、統合的に解説します。

【こんな人におすすめ】
この学習法は、以下のような方に特に効果的です。

「文法はある程度学んだのに、実際の会話やメール作成で英語がスムーズに出てこない」
「単語の意味は知っていても、会話中にフレーズが思い浮かばない」
「単語や文法の暗記では、実践的な英語力につながらないと感じている」
「ネイティブにのような自然な表現力を身につけたい」

2. 721単語の高頻度語は英会話の9割で使用される

英語には約60万もの単語があると言われますが、ネイティブが実際に使うのは約3万語ほどです。その中でも、日常会話やビジネスで頻出する約9割の場面に登場する単語は、たったの721語だけです(高頻度語)。これは、膨大な語彙のなかで「実際に必要になる単語はごく一部に限られる」ということ。まずは高頻度語と高頻度語を使用した定型表現を習得することで、効率的にスピーキングスキルを伸ばすことができます。

3. 高頻度語と低頻度語の使い分け

実際の運用頻度は単語によって大きく差があります。

高頻度語の例:

area, company, health, know, service …

低頻度語の例:
oxygen, magnanimous, indelible, readily, perplexing …

日本語でも「場所」「会社」「健康」といった日常表現と、あまり使われない難しい表現を比べると使用頻度に差があるように、英語でもまずは「よく使われる単語(高頻度語)」を優先的に覚えることが、実践的な英語力を高めるうえで不可欠です。英語は単語を個別に使うのではなく、複数の単語を組み合わせた「チャンク」として使用するのが特徴です。以降では、その代表的な例としてコロケーションと句動詞について詳しく説明していきます。

4. コロケーションと句動詞の理解

英語は、単語単体ではなく、複数の単語がまとまった形(チャンク)で使われる言語です。ここでは、その代表例であるコロケーションと句動詞について解説します。

【4-1. コロケーション】

定義:
コロケーション(collocation)とは、特定の単語が頻繁に共起し、自然な表現として使われる単語の組み合わせを指します。

具体例:

make a decision → 「決定をする」
strong coffee → 「濃いコーヒー」
take a break → 「休憩を取る」

これらは、単語同士が自然に結びつくことで意味を成していますが、必ずしも動詞+副詞という固定パターンに限定されるわけではありません。

【4-2. 句動詞】

定義:
句動詞(phrasal verb)とは、基本の動詞に副詞または前置詞が加わり、単独の動詞では表現できない固有の意味を持つ固定表現です。

具体例:

get off → 「乗り物から降りる」または「服を脱ぐ」
give up → 「諦める」
look after → 「世話をする」

各要素を個別に見るだけでは意味が伝わらず、全体として独自の意味を形成するため、固定された形で覚える必要があります。

【4-3. まとめ:コロケーション vs. 句動詞】

コロケーション:
単語が自然に組み合わさり、動詞+副詞に限らず幅広い組み合わせで意味を成す。

句動詞:
動詞+副詞/前置詞の組み合わせで固定された意味を持ち、全体で独特の表現となる。

このように、英語では単語がまとまった表現(チャンク)が多用されるため、コロケーションや句動詞の習得は必須です。

5. レキシカルアプローチとは

【5-1. レキシカルアプローチの基本概念】

レキシカルアプローチ(Lexical approach)は、言語学者マイケル・ルイス教授が1993年に提唱した教授法で、文法や単語の暗記ではなく、「レキシカルチャンク」の習得を重視します。
ネイティブが英語を運用する際、頭の中には文法ルールを逐一思い出すのではなく、状況に応じた定型表現やコロケーション(=チャンク)が蓄積されており、そこから瞬時に取り出して発話していると考えられます。

ポイント: 流暢な英語運用には、「文法と単語数の暗記」よりも素早くアクセスできるレキシカルチャンクを豊富に持つことが重要。

実際、英語の母語話者の発話の約58.6%、書き言葉の約52.3%が定型表現によって構成されているとも報告されています。

【5-2. レキシカルチャンクがもたらすメリット】

①迅速な文生成:
一度覚えたチャンクをそのまま使えるため、文を組み立てる時間を短縮でき、スピーキングの流暢さが向上。

②自然な表現:
チャンクはネイティブが実際に使う表現である場合が多く、不自然な直訳英語を避けられる。

③学習効率:
単語を一語ずつ覚えるよりも、まとまり(チャンク)で習得したほうが記憶に残りやすく、応用が効きやすい。

6. 定型表現とチャンクの活用

レキシカルアプローチの中核をなすのは、チャンクという概念です。ここでは、チャンクの定義と基本例、そして定型表現としてのチャンクの役割とその違いについて詳しく解説します。

【6-1. チャンクの定義と基本例】

チャンク(chunk)とは、意味を持つ単語のまとまりやフレーズのことで、言語処理において「意味やリズムのまとまり」として切り出される単位です。

具体例:

・after lunch
in the morning
・because of this reason

これらは、文法的な厳密さにとらわれず、話者が自然に感じる意味のブロックとして認識されます。

【6-2. レキシカルチャンクと定型表現の関係】

定型表現(固定表現)とは、特定の意味を持ち、そのままの形で使用されるフレーズです。
具体例:

・How are you?
・Nice to meet you

これらの定型表現は、チャンクという広い概念の中に含まれる一部であり、意味や形式が固定されているため、覚えた後はそのまま実践的に利用できるという特徴があります。

結論:
定型表現をチャンクの一種として理解し、単語を個別に覚えるのではなく、まとまりとして習得することで、より自然で流暢に英語を話せるようになります。

【6-3. チャンクとレキシカルチャンクの違い】

チャンク:
言語処理における意味やリズムのまとまり全般を指し、通常は2~8語程度で構成されます。

レキシカルチャンク:
ネイティブが固定された形で使う、イディオム、句動詞、コロケーションなどの固定表現を指し、会話にそのまま応用できます。

主な違い:

①範囲: チャンクは広い意味のまとまり、レキシカルチャンクはその中の特定の固定表現。
②使用頻度: レキシカルチャンクは日常やビジネスで頻繁に使用される。
③学習効果: チャンク学習で文全体のリズムが把握でき、レキシカルチャンク習得で自然な表現力が向上する。

【6-4. 各語の組み合わせの意味の理解と応用力の向上】

チャンクの各単語の結合は、単なる語の足し算以上の微妙なニュアンスを生み出します。

例:
keep in touch → “keep”(維持する)+“in”(〜の状態の中に)+ “touch”(連絡する)=「連絡を取り続ける」

また、冠詞や前置詞の使い分けも非常に重要です。

a meeting は「1回のミーティング」を意味し、attend the meeting の「the」は、話し手と聞き手が共有する特定のミーティングを示します。このように冠詞や前置詞の使い分けを含めたネイティブの「モノの見方」を理解すると、より正確に英語を話すことができます。

  • lunch は機能的な名詞であり、通常冠詞は不要ですが、1回の食事を強調する場合は a meal、または時間帯を示す場合は breakfast, lunch, dinner と使い分けます。

応用例:
基本文:
I will attend the meeting after lunch.「私は昼食後、会議に参加します。」

応用例:

・He attends the meeting every Monday.「彼は毎週月曜日に会議に参加します。」
・We attended the online meeting yesterday.「私たちは、昨日オンラインミーティングに参加しました。」

このように、主語や時制を変えるだけで多様な表現に展開でき、実際の会話での応用力が向上します。これらは一語単位でなくワンセットで使うものとして覚えることで、スピーキング時の処理が格段に速くなります。

7. 認知文法の視点でネイティブの思考法を理解する

認知文法では、言語を単なる規則の集まりではなく、人間の認知プロセスや概念構造ととらえます。これにより、

・なぜ「attend the meeting」や「after lunch」という表現が自然なのか、背景にある「意味のまとまり」を理解できる。
・ネイティブは単語を並べるのではなく、経験や状況に基づいた“概念の塊(スキーマ)”を瞬時に呼び出して発話している。

この視点を取り入れると、暗記したフレーズを丸覚えするだけでなく、実際のコミュニケーションで自在に応用できるようになります。

8. 効率的な学習ステップ

  1. 上位721単語を中心にコロケーションやチャンクをピックアップ
    ・ビジネスや日常会話でよく使われる定型表現(attend the meeting, after lunch, keep in touch, get off など)をリストアップし、音声・文章で繰り返し学習。
  2. 各チャンクの意味を深く理解
    ・なぜ attend the meeting というか、なぜ after lunch に冠詞をつけないかなどを認知文法の知見で学ぶ。
    ・句動詞の構造(動詞・前置詞・副詞)や冠詞の使い分けがネイティブの認知プロセスをどう反映しているかを把握する。
  3. アウトプットで実践する
    ・基本文「I will attend the meeting after lunch.」を元に主語や時制を替える練習を繰り返し、「英語の箱」を構築。
  4. リスニング・リーディングで生きたフレーズを発見&復習
    ・YouTubeやNetflix、ニュース、SNSなどから新しいチャンクを拾い、認知文法の視点で構造を確認しながら定着させる。

9. 記憶システムと第二言語習得研究の観点

第二言語習得研究や心理学によれば、ワーキングメモリ手続き記憶が学習効率を左右する大きな要因となります。

ワーキングメモリとチャンク
単語やフレーズを「意味のかたまり(チャンク)」として捉えると、ワーキングメモリへの負荷が軽減され、より深く長期記憶に結びつきやすくなります。

手続き記憶との連動
自転車の乗り方や楽器演奏のように、何度も練習した技能は手続き記憶として定着し、忘れにくくなります。レキシカルチャンクも反復使用で自動化され、スピーキング時に自然に口をついて出るようになります。

10. リスニング・リーディング・スピーキング・ライティングへの総合効果

①リスニング
チャンクごとに意味が捉えられるため、ネイティブ特有の音の連結や弱形に対応しやすくなる。

②リーディング
文章をブロック単位で理解できるので、速読が可能になり内容把握が深まる。

③スピーキング
定型表現と「英語の箱」が確立され、文を瞬時に組み立てられるため会話中の迷いが減る。

④ライティング
定型パターンを活用でき、自然で正確な英語を短時間で書けるようになる。

11. 注意点:トレーニングのバランスと課題診断の重要性

「721語×レキシカルアプローチ」は基礎会話能力を向上させる効果的なトレーニングです。しかし、さらに高い英語力を目指す場合は、以下の点に注意しましょう。

  1. 多角的なインプットが必要
    語彙や文法、句動詞、発音矯正のトレーニングを並行して行うことで、リスニング・リーディング・スピーキング・ライティングの全体的な能力向上が図れます。発音が正確でないと相手に誤解を与えるだけでなく、リスニング力の向上も妨げてしまいます。
  2. 流暢な英語とは?
    流暢に話すとは、聞いた英語を正確に理解し、素早く返答する能力です。単に語彙を覚えるだけではなく、発音や文法を含めた多様なスキルをバランスよくトレーニングする必要があります。認知文法や第二言語習得研究の知見に加え、正しい発音矯正を受けられる専門コーチングが欠かせません。
  3. 学習者ごとの課題診断が重要
    課題は個人によって異なります。そのため、学習者ごとに必要なトレーニングの割合を最適に配分することが大切です。課題診断は、英語指導のエキスパートに任せるのが成功への近道です。

12. 瀧内コーチの一問一答(Q&A)

Q1. なぜ認知文法が英語学習に役立つのですか?
瀧内コーチ:
「認知文法を学ぶと、なぜその表現が自然か、どのように意味が構築されるかが理解できます。暗記だけでなく会話や文章に応用が効くようになるのが最大の利点です。」

Q2. 発音矯正が必要な理由は何ですか?
瀧内コーチ:
「発音はリスニングとスピーキングの土台です。正しい発音が身につくと相手に正確に伝わるだけでなく、自分のリスニング力も劇的に上がります。私のレッスンでは各受講生の課題や目標に合わせてフィードバックを行います。」

Q3. 体験レッスンではどんなことを学べますか?
瀧内コーチ:
「まず現状を分析し、言語学や第二言語習得の観点から最適な学習プランを提案します。加えて、発音チェックやコミュニケーション練習をしながら、すぐに使える英語表現を習得できるようサポートします。」

13. まとめ:最短ルートで「使える英語」を手に入れよう

・認知文法や第二言語習得研究の知見を土台に、721語の高頻度語と定型表現(レキシカルチャンク)を中心に学ぶ。
・句動詞・冠詞などをネイティブ視点で理解し、チャンクとして捉えることで、自動化して使える表現を増やす。
・正しい発音矯正を専門コーチングで受けることで、スピーキング・リスニング力を同時に底上げする。

これらのステップを踏むことで、今までの「単語暗記や文法書学習」だけでは実感できなかったスピードで、実践的な英語力を身につけられます。ぜひBiz English Coachの体験レッスンを活用し、ネイティブの思考や発音を最短ルートで習得してみてください。

以上が、レキシカルアプローチやチャンクの概念を中心に据えた、最短で「使える英語」を習得するための統合的アプローチです。チャンクとレキシカルチャンクの違いを明確に押さえ、認知文法の視点を取り入れた学習を行えば、定型表現をただ暗記するのではなく、実際に使える形で身につけることができます。ぜひこの方法を実践し、英語力を飛躍的に伸ばしてください。

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プロフィール

  • 専属パーソナルコーチ

    瀧内俊之
    (Toshiyuki Takiuchi)

    関西学院大学で英語習得学、英語音声学、英語文化コミュニケーション学について学ぶ。米国のエモリー大学で演劇科を専攻し、プレゼンの手法、舞台演出の研究に従事。帰国後は、ビジネスシーンやハリウッド俳優の通訳、NHKドラマで英語指導を担当。その後、大手英語コーチングスクールにて指導経験を積み、ビズイングリッシュコーチを設立。

  • 学習カリキュラム監修者

    デキキス・ジョー教授
    (Joseph DeChicchis)

    関西学院大学総合政策学部教授。英語習得学、英語音声学、英語文化コミュニケーション学の研究に従事。世界各国の英語アクセントに精通している。ビズイングリッシュコーチでは、英語習得学の知見を活かし、発音矯正、文法理論、スピーキングメソッドなどの学習カリキュラムやオリジナル教材の監修を担当。

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