英語でのオフィス案内【完全ガイド】訪問者に信頼されるフレーズ&NG表現

はじめに:英語でのオフィス案内が重要な理由

グローバル化が進み、海外の取引先や顧客をオフィスに迎える機会が増えています。訪問者に対する最初の印象は「出迎え」と「オフィス案内」でほぼ決まってしまいます。特に英語での案内では、適切で失礼のない表現を使い、スムーズに対応することが信頼につながります。

・第一印象が企業イメージに直結
・丁寧かつ明確な英語表現が求められる
海外顧客・取引先との関係性を左右する場面

本記事では、英語でのオフィス案内に役立つフレーズや注意点を網羅し、さらに「こういうときはどうすれば?」という疑問に、豊富な指導実績を持つビジネス英語コーチである筆者が 「一問一答」形式 でわかりやすく解説していきます。

「I’ll lead you around the office」が誤解を招くワケ

日本語で「オフィスをご案内します」と言いたいとき、「lead」を使って “I’ll lead you around the office.” と表現してしまう方も少なくありません。しかし、ネイティブの感覚では “lead someone around” は「引き回す」「振り回す」といった印象を与える恐れがあります。

“I’ll lead you around the office.”
→ 文字どおり訳すと「オフィス中を引き回します」という意味に近い。

直訳すると『オフィス中を引き回します』という印象を与えかねません。丁寧なご案内するというよりも、勝手に連れ回すようなイメージがあります。

ビジネスシーンでこうした誤解を招くのは避けたいところです。そこで代わりに “show”“guide” を使うことで、相手により自然でポジティブな印象を与えることができます。

正しい表現を使おう:自然で丁寧なオフィス案内フレーズ

オフィス案内のフレーズは、状況や相手との関係性によって微妙にニュアンスを変えられるとベストです。以下に代表的なフレーズをまとめました。

“I’ll show you around the office.”
「オフィスをご案内します。」(もっとも一般的で丁寧)

“Let me show you around our facilities.”
「社内設備をご紹介しますね。」

“May I give you a quick tour of our office?”
「オフィスを簡単にご案内してもよろしいですか?」(丁寧さUP)

“Would you like to start with a short tour of the office?”
「最初にオフィスを少しご覧になりますか?」(提案形式で柔らかい)

“I’d be happy to guide you through our main departments.”
「主要部署をご案内いたします。」(“guide”を使ったバージョン)

これらを覚えておけば、オフィスツアーで困ることはありません。

ビジネス英語のコツ:動詞選びの重要性

英語では、動詞の選び方で印象が大きく変わります。特にビジネスシーンでは「丁寧さ」や「配慮」が重要。以下の3つの動詞の使い分けを意識すると、相手から好印象を得やすくなります。

1. Show

意味:見せる・案内する
ニュアンス:紹介や案内がメイン
例文:“Let me show you where our meeting room is.”
「会議室の場所をご案内しますね。」

2. Guide

意味:導く・案内する
ニュアンス:説明・解説を加えながらしっかり導くイメージ
例文:“I’ll guide you through our onboarding process.”
「オンボーディングプロセスをご案内します。」

3. Direct

意味:道を教える・担当に取り次ぐ
ニュアンス:実際に同行せず、指示だけを与えるときに使う
例文:““I’ll connect you with the IT department.””
「IT部門にお繋ぎします。」

ケーススタディ:具体的なオフィス案内シーン別フレーズ

1. 来客を出迎えるとき

“Welcome to [会社名]. Let me show you around the office.”
「[会社名]へようこそ。オフィスをご案内します。」

“It’s great to have you here. Shall we start with a brief tour?”
「来社いただきありがとうございます。まずは簡単にご案内しましょうか?」

2. エントランスや受付を案内するとき

“This is our reception area, where we greet visitors and clients.”
「こちらが受付エリアで、お客様をお迎えする場所です。」

“You can check in here at the reception desk if you arrive early.”
「早めに到着された場合は、こちらの受付でチェックインできます。」

3. 会議室やミーティングスペースを案内するとき

“Let me show you to our main conference room.”
「主要な会議室へご案内します。」

“This room is equipped with a projector and a video conferencing system.”
「この部屋にはプロジェクターとビデオ会議システムがあります。」

4. オフィスフロアや各部署を紹介するとき

“This area is where our development team works on product innovation.”
「ここが開発チームのエリアで、新製品の開発を行っています。」

“Over there, you’ll find our marketing department.”
「あちらがマーケティング部門です。」

5. 休憩スペース・お手洗いを案内するとき

“Our break room is over here, where employees can grab coffee and snacks.”
「休憩室はここで、コーヒーやスナックをとることができます。」

“The restrooms are located at the end of this hallway on the right.”
「お手洗いはこの廊下の突き当たり右手にあります。」

6. セキュリティや重要施設を説明するとき

“We have a secure access system. Please use your ID card here.”
「セキュリティシステムを導入していますので、IDカードをここで使用してください。」

“This server room is restricted to authorized personnel only.”
「サーバールームには許可されたスタッフのみが入れます。」

オフィスでよく使う設備・機器の英単語

。オフィス案内や使い方の説明に役立つ単語を以下にまとめました。

Printer(プリンター)
Scanner(スキャナー)
Photocopier(コピー機)
Whiteboard(ホワイトボード)
Projector(プロジェクター)
Conference Room / Meeting Room(会議室)
Workstation(作業スペース)
Break Room / Lounge(休憩室・ラウンジ)
Coffee Machine / Coffee Maker(コーヒーメーカー)
Reception Desk(受付)
Security Gate(セキュリティゲート)
Server Room(サーバールーム:企業のサーバーやネットワーク機器を設置・管理する専用の部屋)
Cubicle(仕切りのあるデスクスペース)

例文は下記の通りです。

“This is our printer and photocopier. Please feel free to use them if you need to print or make copies.”
「こちらがプリンターとコピー機です。印刷やコピーが必要な際はご自由にお使いください。」

“This conference room is equipped with a projector and video conferencing equipment.”
「この会議室にはプロジェクターとビデオ会議用の設備が備わっています。」

FAQ:瀧内コーチの一問一答(英語でのオフィス案内)

1. オフィス案内全般に関する質問

Q1-1:海外の取引先を初めてオフィスに呼ぶとき、最初にどんな声掛けをすればいいですか?

「Welcome to [会社名].」のあとに「Let me show you around.(中をご案内しますね)」などと続けるのが自然です。日本人は特に「ご案内しましょうか?」「いかがでしょうか?」など相手の都合を聞く文化がありますが、英語でも “Would you like me to show you around?” のように尋ねる形で配慮を示すと好印象ですよ。

Q1-2:案内する順番はどのように決めれば良いでしょうか?

一般的には受付・メインオフィス・会議室・休憩室・お手洗いのように、来客が実際に使う可能性の高い場所を優先的に案内するのがおすすめです。さらに余裕があれば、部署や施設を興味に合わせて見せてあげると、相手の満足度が高まります。

Q1-3:案内時間はどれぐらいが適切ですか?

Q1-2:案内する順番はどのように決めれば良いでしょうか?

ビジネスの予定にもよりますが、10~15分程度で主な施設を見せられるとベストでしょう。長すぎると相手が疲れてしまいますし、短すぎると印象に残りづらいです。要点を押さえつつ、適度に会話を交えると、ちょうど良い長さになります。

2. 英語表現・フレーズに関する質問

Q2-1:「I’ll lead you around the office」はなぜいけないんですか?

“Lead someone around” には「引き回す」「振り回す」といったネガティブなニュアンスが含まれるからです。ビジネスでは誤解を与えやすいので、“show” や “guide” を使う方が無難かつ丁寧ですね。

Q2-2:「Follow me」が失礼に聞こえることはありますか?

状況によっては「ついてこい」という少し命令的なトーンに聞こえる可能性があります。親しい間柄では問題ない場合もありますが、ビジネスシーンでは “Please follow me.”please をつけるか、“Let me show you the way.” と言い換えるとより柔らかい印象になります。

Q2-3:“Do you want to see our office?” は失礼になりませんか?

Do you want to~?” はややカジュアルな表現です。ビジネスシーンでは “Would you like to~?”“May I show you~?” のほうがフォーマルで礼儀正しい響きがあります。

3. 訪問者への配慮・マナーに関する質問

Q3-1:相手が初めて日本に来た場合、文化的に案内時に気をつけることは?

海外から初めて日本を訪れる方は、靴を脱ぐ習慣や室内スリッパなどに驚くことがあります。自社が土足OKなら問題ありませんが、もし禁煙スペースや撮影禁止区域があるなら、事前に英語で “No smoking allowed here.” 「ここでは禁煙です。」と説明し、サインを見せると親切です。

Q3-2:お手洗いや休憩スペースの案内は最初にするべき?

初めての訪問者には、お手洗いや休憩スペースの場所を早めに伝えておくと安心感を与えます。案内が後半になる場合でも、“Please let me know if you need to use the restroom at any time.”「いつでもお手洗いが必要でしたら、お知らせください。」と一言伝えてあげると相手が遠慮せずに済みます。

Q3-3:お茶やコーヒーを勧める場合、英語でどう言えばいい?

“Would you like some tea or coffee?”
「紅茶かコーヒーはいかがですか?」
“May I offer you something to drink?”
「何かお飲み物をお持ちしましょうか?」

などが自然に聞こえるフレーズです。訪問者がリラックスできるため、適切な表現です。

4. トラブルシューティングに関する質問

Q4-1:急なアクシデントで案内ができなくなった場合、どう対処する?

“I’m terribly sorry, but something urgent has come up. My colleague will show you around instead.”

「大変申し訳ありませんが、急用ができてしまいました。代わりに同僚がご案内いたします。」といった形で素直に事情を説明し、代役をきちんと紹介しましょう。

Q4-2:説明できない部署や機器の詳細を尋ねられたら?

わからないことは曖昧に答えるのではなく、“I’m not entirely sure about that. Let me check with the team responsible and get back to you.”「よくわかりません。担当チームに確認して、改めてお伝えします。」と伝え、誠実さを示します。

Q4-3:相手が急いでいる場合、短縮した案内はどうすればいい?

重要なポイント(受付・会議室・お手洗いなど)だけを手短に案内し、“I know your time is limited, so let me just show you the key areas.”「お時間に限りがあるようですので、重要な場所だけをご案内します。」と伝えるとスムーズです。

文化的・マナー的観点から見るオフィス案内のポイント

英語力だけでなく、文化的な背景やマナーを理解しておくと、より円滑なコミュニケーションが可能になります。以下のポイントを意識しましょう。

  1. 笑顔とアイコンタクト
    日本ではあまり強いアイコンタクトを取らない人も多いですが、英語圏の文化では適度なアイコンタクトが信頼を得るきっかけになります。
  2. 相手のペースを尊重
    海外の方にとっては日本のオフィス文化が新鮮に映ることも。あまり早足で回らず、興味を示しているポイントがあれば丁寧に説明してあげると好印象。
  3. 謝罪より感謝を重視
    何か気を遣わせてしまう場面でも “Thank you for waiting.” などと感謝を示すほうがポジティブで好印象です

英語でのオフィス案内をスムーズに進めるための準備リスト

最後に、英語でのオフィス案内をスムーズに進めるために、事前にやっておくと良いポイントをリストにまとめました。

  1. 主要施設・部署の英語名称を確認する
    受付(Reception)、開発部門(Development Department)など。
  2. 使う頻度の高いフレーズを押さえておく
    “I’ll show you around.” / “Let me guide you to…” / “Would you like to see…?” など。
  3. オフィスの導線を把握しておく
    どの順番で案内すれば効率が良いか、事前にシミュレーションしておくと安心。
  4. アクシデント対応の英語表現を準備する
    急用ができたときや、わからないことを質問されたときのフレーズを用意しておきましょう。
  5. 海外顧客の文化や習慣をリサーチ
    宗教的な理由で特定の飲食物を控える場合など、事前に把握しておけばスムーズです。

まとめ:丁寧かつスムーズな案内で企業イメージをアップ

オフィス案内は、会社の雰囲気や文化を直接感じてもらう絶好のチャンスです。そこに英語が絡んでくると、言葉選びや文化的配慮が必要になりますが、以下の5つのポイントを押さえれば安心です。

①“lead” ではなく “show” や “guide” を使う
②“Follow me” より “Please follow me” や “Let me show you the way.”
③訪問者が必要とする情報を優先して案内(お手洗い、休憩室、会議室など)
④何か質問されても無理に答えず、わからなければ担当者に確認
⑤文化的背景にも配慮し、アイコンタクトや笑顔で対応

本記事で紹介したフレーズや「瀧内コーチの一問一答」を参考に、オフィス案内の際に迷わないよう事前準備をしておきましょう。丁寧かつ分かりやすい英語表現での案内は、ビジネスパートナーや顧客との信頼関係を深める大きな一歩となります。オフィス案内は企業イメージの向上にも直結するため、ビジネスを円滑に進めるための大きなきっかけになります。

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プロフィール

  • 専属パーソナルコーチ

    瀧内俊之
    (Toshiyuki Takiuchi)

    関西学院大学で英語習得学、英語音声学、英語文化コミュニケーション学について学ぶ。米国のエモリー大学で演劇科を専攻し、プレゼンの手法、舞台演出の研究に従事。帰国後は、ビジネスシーンやハリウッド俳優の通訳、NHKドラマで英語指導を担当。その後、大手英語コーチングスクールにて指導経験を積み、ビズイングリッシュコーチを設立。

  • 学習カリキュラム監修者

    デキキス・ジョー教授
    (Joseph DeChicchis)

    関西学院大学総合政策学部教授。英語習得学、英語音声学、英語文化コミュニケーション学の研究に従事。世界各国の英語アクセントに精通している。ビズイングリッシュコーチでは、英語習得学の知見を活かし、発音矯正、文法理論、スピーキングメソッドなどの学習カリキュラムやオリジナル教材の監修を担当。

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