I have a disease.は間違い!英語で「病欠」と伝えるには?【社会人向けのビジネス英会話】
「disease」は単なる病気ではない
外資系企業に転職したばかりのAさん。少しずつ英語を話す職場にも慣れてきました。あいにく、今日はあまり体調がよくないので、病欠することにしました。アメリカ人の上司に電話で、「I have a disease today.」と伝えました。そうすると、上司から、立て続けに、質問攻めにあいました。Aさんの英語表現に、何の問題があったのでしょうか?
「私は、病気です。」と伝える時、日本人は、「disease」を使うことが多いです。しかし、社会人、特に外資系企業の方が、使うべきではありません。なぜなら、「disease」は一般的な病気よりも、病名がはっきりしている重病や伝染病の病気の場合に使われるからです。
「I have a disease.」は、「私は重病です。」の意味になります。「disease」は、Cambridge Academic Content Dictionary で、下記のように定義されています。
a disorder of structure or function in a human, animal, or plant, especially one that produces specific symptoms or that affects a specific location and is not simply a direct result of physical injury.
「特定の箇所に症状が現れ、怪我を要因としない、人、動物、植物の組織における病気。」
たとえば、「皮膚病(skin disease)」や「心臓病(heart disease)」のように、身体の器官がうまく機能しない、病名がある病気を表現する際によく使われます。ですから、お医者さんが診断をする際など、医学的な表現でよく耳にする単語です。
英語で病欠は「sick-leave」を使う
基本的に、職場に症状の軽い病気で休む場合は、「sick-leave」を用います。下記はよく使う表現なので、是非、覚えましょう。
I’m not feeling well, so I’d like to take sick-leave today.
「体調が優れないため、本日、休暇をいただきたいです。」
The company workers can earn seven days of paid sick-leave.
「社員は、7日間の有給病気休暇を取得できます。」
「paid sick-leave」は「有給病気休暇」の意味で、PSLと略して使われることもあります。
「disease」「sickness」「illness」の違い
「disease」の他に、病気と聞いて、読者の方が思い浮かぶ英単語は何でしょうか。「sickenss」「illness」などの単語が思い浮かぶという方が多いのではないでしょうか。これらの「病気」を表す3つの単語の使い分け方をご紹介します。
アメリカ英語もイギリス英語も共通して、病気の症状で言えば、「sickness」が一番軽く、「illness」はその中間、「disease」が一番重いイメージです。「sickness」は、他の2つの単語よりも、比較的症状が軽く、病気の期間も「illness」より短いときに使われます。「sikcness」は薬を飲んだり、病院での診断などの医療行為が必要ありませんが、「illness」は医療行為が必要な場合もあります。
アメリカとイギリスで違う「sickness」と「illness」のニュアンス
「illness」は、アメリカ英語では「sickness」に比べ、よりフォーマルな単語で、心臓病や白血病など入院を伴う「重い病気」を指すことが多いです。重病であることを強調するために「serious」を使って「serious illness(大病)」と表現されることも多いです。また、イギリス英語では「sickness」や「illness」を「吐き気」の意味でよく使われるため、注意しましょう。
アメリカ英語とイギリス英語の違い(発音とフレーズ)
アメリカ英語とイギリス英語の違いについて詳しく知りたい方は、下記の動画をご覧ください。英語『The Holiday(邦題:ホリデイ)』を題材に、アメリカ英語とイギリス英語で使われる発音やフレーズの違いについて、解説しています。
アメリカ・イギリス英語の発音を身に付けるトレーニング動画↓
「sickness」のフレーズと例文
「sickness」を使ったフレーズは下記の通りです。
「morning sickness(つわり)」
「chronic sickness(慢性病)」
「mountain sickness(高山病)」
「sickness benefit(疾病手当)」※イギリス英語のみ
「sickness」を使った例文は下記の通りです。
Sickness rates have gone up in the company.
「会社内で、罹病率が上がってきています。」
Poor housing conditions led to an increase in sickness.
「悪い住宅環境によって、病気が増えています。」
「illness」のフレーズと例文
「illness」を使ったフレーズは下記の通りです。
「acute illness(急性疾患)」
「viral illness(ウイルス性疾患)」
「mental illness(精神疾患[障害]、心の病)」
「illness」を使った例文は下記の通りです。
We are lacking three members of staff due to illness.
「病気のため、三人の社員がお休みになります。」
Many people suffer from some form of mental illness during their lives.
「多くの人は、一生のうちで、心の病にかかります。」
「disease」のフレーズと例文
「disease」を使ったフレーズは下記の通りです。
「contagious disease(伝染病)」
「infectious disease(感染症)」
「fatal disease(不治の病)」
「disease」を使った例文は下記の通りです。
She has caught a lung disease.
「彼女は、肺の病気にかかりました。」
Regular exercise reduces the risk of coronary heart disease.
「定期的な運動は、冠状動脈性心臓病のリスクを減らします。」
まとめ
病気を表す、基本英単語は3つありました。
「sickness」は、他の2つの単語よりも症状が軽く、吐き気や気分の悪さといった日常的な体調の悪さに対して使う単語でした。
「illness」は、「sickness:よりも症状が重く、病気の期間も長期にわたる病気に対して使う単語でした。
「disease」は、病名がはっきりしているような重い病気を意味しました。
3つとも病気という日本語ではありますが、ニュアンスが異なり、使い分けが必要です。お勤めの会社に病欠を伝える時は、軽い病気の休みという意味を表すために、「sick-leave」を使うのが適切でした。
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プロフィール
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瀧内俊之
(Toshiyuki Takiuchi)関西学院大学で英語習得学、英語音声学、英語文化コミュニケーション学について学ぶ。米国のエモリー大学で演劇科を専攻し、プレゼンの手法、舞台演出の研究に従事。帰国後は、ビジネスシーンやハリウッド俳優の通訳、NHKドラマで英語指導を担当。その後、大手英語コーチングスクールにて指導経験を積み、Biz English Coach(ビズイングリッシュコーチ)を設立。
- 学習カリキュラム監修者
デキキス・ジョー教授
(Joseph DeChicchis)関西学院大学総合政策学部教授。英語習得学、英語音声学、英語文化コミュニケーション学の研究に従事。世界各国の英語アクセントに精通している。Biz English Coach(ビズイングリッシュコーチ)では、英語習得学の知見を活かし、発音矯正、文法理論、スピーキングメソッドなどの学習カリキュラムやオリジナル教材の監修を担当。